「糖尿病の患者さんは日常生活に関してさまざまな問題をかかえます。ですから、当院では、医師、看護師、ソーシャルワー
カー、薬剤師、管理栄養士が参加し、より実践的な糖尿病教室となっています」聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院管理栄養士の山口友香さん
は、同院の糖尿病教室の特徴をそう話します。
参加者は基本的に同病院の入院患者。1クールの教室に15人くらいが参加しています。山口さんが担当する「食事療法」では、摂取エネルギーの
決め方やバランスよく食るための方法など、基本的なことをレクチャーします。
また食品の重さの目測および実測実習では、卵やリンゴ、キャベ
ツなどの実際の食品を用意し、“重さ当てクイズ”を行っています。患者さんが食品を見たり、持って感じた重さを記入し、実際に測って答え合
わせをするそうです。
「感じた重さと計量した重さの違いを実感してもらい、退院後もできる範囲で計測していただきたいと考えています」
と山口さん。
| 曜日 | 内容 | 担当 | 時間 |
|---|---|---|---|
| 月曜日 | 糖尿病とは | 医師 | 16:00〜 17:00 |
| 火曜日 | 薬物療法 | 薬剤師 | 15:30〜 16:30 |
| 水曜日 | 食事療法 | 管理栄養士 | 15:30〜 17:00 |
| 木曜日 | 献立 | 管理栄養士 | 15:30〜 16:45 |
| 金曜日 | 試食会 | 管理栄養士 | 12:40〜 |
| 社会保障・福祉制度 | ソーシャルワーカー | 15:30〜 16:15 |
|
| 日常生活 | 看護師 | 16:15〜 17:00 |
|
| 土曜日 | 運動療法(ビデオ鑑賞) | 看護師 | 9:30〜 10:00 |
火曜日の「薬物療法」の担当は薬剤師。「お薬と上手につきあうために」というオリジナルのパンフレットを使って、
食後過血糖改善剤などの飲み薬やインスリンなどの説明を行っています。
「薬の種類や作用を説明する前に、糖尿病は薬で治せるものではないことを話します。食事療法や運動療法が伴わないと薬の効果は出に
くいことを理解していただきたいからです」と薬剤師の平野恭子さんは言います。
ソーシャルワーカーが担当する「社会保障・福祉制度」では、高額療養費制度、医療費控除、障害年金、傷病手当金などについて説明し
ています。糖尿病教室でソーシャルワーカーの存在を知り、その後の個別相談につながることも多いそうです。
「お金のことはもとより、学校や職場、家庭のことなど身近な問題ばかりなので、患者さんの関心も高いと感じています。そのぶん、責
任も重大です」と言うのはソーシャルワーカーの佐野緑さん。転院や在宅など退院後の生活についても相談にのっています。
看護師が担当する「日常生活」では、運動療法などを日常生活のなかで反映するための指導を行っています。「通勤や買物のときに一駅
歩いてみましょうとか、日々の暮らしのなかでできる運動を進めています。患者さんの個別性を考慮しながら、一緒に考えるようにしてい
ます」と看護師の佐古恵さん。合併症の予防法や足の観察の仕方なども説明しているそうです。土曜日の「運動療法」ではビデオを見なが
ら運動療法の効果やストレッチ運動の方法を指導しています。
なお、薬剤師やソーシャルワーカーをはじめ、すべてのスタッフは、糖尿病教室で理解できなかったことや個別的な悩みに対応するため、
別の時間を設けて個々の患者さんの相談にも応じているということです。
←食事療法について説明をする管理栄養士の山口さん
