
2005/1/25(火)13:30から開催された糖尿病教室に参加させていただきましたので、その模様をレポートします。
糖尿病を正しく理解してもらうこと、生活習慣改善の動機づけをしてもらうことを目的として、当院では、初めて糖尿病と診断された外来患者様を対象とした糖尿病教室を、月に1度実施しております。医師、管理栄養士、検査技術科スタッフ、看護師がそれぞれ専門の立場からわかりやすく講義をし、糖尿病とはどんな病気か、病気とつきあっていく上での生活や食事の注意点など、糖尿病に関しての基本的な知識を得ることができる内容の濃い教室となっております。
また、糖尿病教室の他にも、患者会「糖友会(モンキーポッドの会)」の活動も行っております。
→糖友会(モンキーポッドの会)のご案内
平成17年1月20日に、笠間市のレストラン「モン・ラパン」で糖友会の懇親会が行われました。「モン・ラパン」さんでは、摂食障害の方や糖尿病の方でも安心して食べられる500kcalで栄養バランスのとれたフルコース「楽食」を実施しています。
→レストラン モン・ラパン
糖尿病とはどんな病気か?一言で言うと「血糖値」が高くなってしまう病気です。人間は食事をすると、食べた糖分が血液中に取りこまれるので、血糖値が上がります。健康な人だったら膵臓から分泌される“インスリン”というホルモンが効いて、血液の中の糖分が脂肪や筋肉などの組織に吸収されるので血糖は元の値に戻るようになっています。しかし、糖尿病の患者さんはインスリンが出なかったり、効きが悪いために、血糖値が下がらず慢性的に高い状態になってしまいます。この状態が糖尿病です。
糖尿病は、心筋梗塞・狭心症・脳卒中など、命に関わる大きな病気の危険因子の1つです。
糖尿病・高脂血症・高血圧・喫煙・肥満すべて管理しないと動脈硬化は防げません。
神経障害によって、触覚や痛覚が低下して、足が変形したりタコができたりします。足が冷たく感じるので、温めて低温やけどをしてしまうケースも多いのですが、糖尿病の人はばい菌がつくやすく、潰瘍ができて、腐ってしまう場合があります。潰瘍が骨まで到達すると切断しなければなりません。足をよく観察する、水虫を治療する、怪我をしたら主治医に早めに相談することを守ってください。
「シックデイ」とは、糖尿病の治療中に具合が悪くなったときのことです。高血糖昏睡に陥ることがあるので早めに病院へ行くようにしてください。原則として、具合が悪くても糖尿病の治療は中断しないで下さい。できるだけ水分をとり、糖分・栄養分のあるものを積極的にとるようにしましょう。どうしても食べられない、血糖が高い場合は入院の必要があります。
おなかがすいている時に冷や汗がでるのが特長の1つです。ブドウ糖などを飲んで症状がよくなったら低血糖の可能性があります。初めて起こったときや、何度も低血糖になる場合は薬があっていないことが考えられるので、医師に必ず相談するようにしてください。薬療法を始めた方は、お砂糖やビスケットを携帯するようにしましょう。
血液中のブドウ糖の量を調べる検査です。血糖検査でわかるのは、検査をした時点での血糖値です。正常な場合でも食後は一時的に血糖値は高くなりますが、2 時間ほどで食前の血糖値に戻ります。しかし、糖尿病の人は食後2時間ぐらいたっても血糖値が戻らず高いままになります。
血糖値は、食事などにより値が変動するため、採血したその時点での状態を反映するのに対し、ヘモグロビンA1cはもっと長時間での状態を反映します。採血から2〜3ヶ月前の血糖の状態を推定できるのです。
【管理目標値 5段階】
| 5.8%未満 | 優 | 非常によい |
| 5.8〜6.5%未満 | 良 | 合格点 |
| 6.5〜7.0%未満 | 不十分 | もうちょっとがんばりましょう |
| 7.0〜8.0%未満 | 不良 | このままでは良くない |
| 8.0%以上 | 不可 | 問題外 治そうという気がない |
| 平均血糖 | 135 | 170 | 205 | 240 | 275 | 310 | 345 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ヘモグロビンA1c | 6.0 | 7.0 | 8.0 | 9.0 | 10.0 | 11.0 | 12.0 |
過去14日程度の平均血糖の推定ができます。1日の中の変動血糖とは関係ありません。平均値11.3〜16.7%
【血糖値とヘモグロビンA1cの関係】
| 18%未満 | 優 | 非常によい |
| 18〜19.4%未満 | 良 | 合格点 |
| 19.5〜21.0%未満 | 不十分 | もうちょっとがんばりましょう |
| 21.0〜24.0%未満 | 不良 | このままでは良くない |
| 24.1%以上 | 不可 | 問題外 治そうという気がない |
血糖値を上昇させるホルモンは何種類かありますが、血糖値を下げられるホルモンはインスリンただ1つです。健康な人の場合、インスリンは血糖値の変化とほぼ並行して上下します。インスリンの分泌量や分泌されるタイミング、あるいはインスリンの働き方に問題が生じると血糖値は下がりにくくなってしまいます。
インスリン測定はブドウ糖負荷試験と同時に行われたりします。ブドウ糖負荷試験はブドウ糖液を飲んだときの時間の経過による血糖値とインスリン値の変化を観察する検査で、どのようなタイプの糖尿病か診断の参考になる検査です。
尿とは、血液を腎臓でろ過したもので、元々は血液。血糖値が160〜180を超えると尿糖がでてきます。血糖値が200以上など常に高いと、常に尿糖が出ている状態になります。
膵臓からのインスリンの分泌能力を調べる検査です。
C-ペプチドは、膵臓でインスリンが作られる時に生まれる物質です。インスリンの一歩手前の物質にプロインスリンがあります。プロインスリンが膵臓でインスリンとC-ペプチドに分解され、ほぼ同じ割合で血中に分泌されます。インスリン注射を行っている場合などはインスリン量を測定しても意味がなく、C-ペプチドを測定することによりインスリン分泌能を測定できます。
【C-ペプチドが高値】
血糖コントロールが悪いときには膵臓はがんばってインスリンを作り出そうとするため、C-ペプチド値は高くなります。
【C-ペプチド値が低値】
血糖コントロールが悪い状態が長く続くと,膵臓は消耗してしまい、インスリンを作らなくなり、C-ペプチド値は低くなります。インスリン治療開始の目安となります。
私達は、糖分が体でうまく使えないと、たんぱく質や脂肪をエネルギー源にします。たんぱく質や脂肪分をエネルギー源とするとケトン体が生じます。血中ケトン体が著しく増加し、血液が酸性に傾く状態を糖尿病ケトアシドーシスといいます。1型糖尿病の未治療時、インスリン治療中断時、感染症合併時に多く、2型糖尿病でも、「ペットボトル症候群」で起こる場合もあります。
**** 厳格な血糖コントロールによって、確実に合併症は防げます!!****
【血糖コントロールの目安値】
血糖のコントロールが悪いと、神経障害が進み、足の感覚が鈍くなります。痛みや熱さを感じにくいため、けがややけどに気づきにくくなります。タコやうおのめ、水虫などちょっとした怪我が壊疽につながり、進行すると、足を切断しなければならなくなってしまいます。
また、糖尿病の患者さんは、神経障害の他、動脈硬化が起こり、足の血の流れが悪くなって足の先まで栄養が行き届かなく、免疫力も落ちているために、ばい菌に感染しやすくなっています。
【予防のポイント】
糖尿病の食事療法は、治療のために特別な食事をするのではなく、過食をせずに三食規則正しい食事をすることです。
肥満や過食が、糖尿病の原因の一つになってきます。また、インスリンの分泌と摂取カロリーのバランスが、血糖コントロールをする上でとても大切です。
【6つの食品グループ(6つの表)】
| 主に炭水化物を含む食品 | 表1 | 穀物、いも、炭水化物の多い種実、豆(大豆を除く) | |
| 表2 | くだもの | ||
| 主にたんぱく質を含む食品 | 表3 | 魚介、肉、卵、チーズ、大豆とその製品 | |
| 表4 | 牛乳と乳製品(チーズを除く) | ||
| 主に脂質を含む食品 | 表5 | 油脂、多脂性食品 | |
| 主にビタミン・ミネラルを含む食品 | 表6 | 野菜(炭水化物の多い一部の野菜を除く)、海藻、きのこ、こんにゃく |
ご飯お茶碗半分で1単位など、具体的な分量が記載されています。
ご飯を1単位食べると80kcal食べたということになります。それぞれの食品のカロリーを細かく覚えなくても、
一単位の分量を覚えれば、だいたいの食べ物のカロリーの見当をつけられるようになります。
細かいカロリー計算をするのではなく、単位の計算をする本です。
→食品交換表についての詳しい説明はこちら
食物繊維はカロリーがないのでいくら食べてもよいと思っていませんか? 食物繊維を豊富に含むものをたくさん食べてしまうと、胃が大きくなって常に空腹感が つきまとうという事がおこってしまいます。食事療法をしている時は空腹感は大敵。その大敵を 作らないように、食物繊維をたくさん含むものの食べすぎには注意しましょう。

4人の専門家の先生によるわかりやすい講義で、1回で糖尿病についてかなり詳しく知ることができる
内容の濃い教室でした。糖尿病と診断されて、かなり身構えてしまう患者さんも少なくないと思いますが、
これからの生活や治療について、むずかしく考えないようにやさしくお話をされていたのがとても印象的でした。
実際にやってしまいそうな失敗例やその対策を具体的にお話したり、食事療法のお話に関しては、地元の
スーパーで売っている具体的な商品の名前や、茨城の特産品を具体例にあげるなど、実践しやすいような丁寧な指導内容でした。
※当日はラカントのファイバージャムをお持ち帰りいただきました。