健康辞典「栄養成分のこと」

L-カルニチンは脂質のエネルギー代謝において不可欠な物質です。食事や、体脂肪の脂質はそのままの形でエネルギーに変換することはできないため、細胞内で一度、アシルCoAに変換されます。しかし、アシルCoAだけではエネルギーの代謝の場であるミトコンドリアに入ることができません。更に、L-カルニチンと結合してアシルカルニチンとなる必要があるのです。そのためL-カルニチンは脂質代謝において必要不可欠なものであるといわれています。
体内には20代で平均20〜25gのL-カルニチンが存在し、大部分は骨格筋や心筋に存在します。食事から摂取することもでき、又、2つのアミノ酸(リジン、メチオニン)からも肝臓や腎臓、脳などで生合成されます。中高年では合成能力自体が低下しているため、L-カルニチンの形で摂った方が好ましいと考えられます。
「食べる量は変わっていないのにベルトの穴がひとつ増えた」「毎朝ウォーキングしているのに全然痩せない」歳をとったら太りやすくなった気がする・・・といういわゆる“中年太り”の原因は、食べ過ぎと運動不足だけではなく、L-カルニチンの量にも大きく関係しているのです。
L-カルニチンは体脂肪を燃やすためには必要不可欠な成分。もともと体の中で合成されるものなので若いうちは不足の心配はないのですが、残念ながら合成能力は加齢とともに落ちてしまいます。体内のL-カルニチン量は20代をピークに減少し、50代で半減し、80代ではほとんどなくなってしまうと言われています。L-カルニチンが少なくなるということは、つまり体脂肪が燃えにくい体になってしまうということ。
脂肪は人間の味覚を脳内で麻痺させて、食べると美味しいと感じさせます。だから、美味しいものには脂肪が多く、気をつけているつもりでもついつい食べ過ぎてしまうものです。脂肪を燃焼する効果のあるL-カルニチンを積極的に摂っておかないと、どんどん皮下脂肪が溜まって中年太り・・・そして生活習慣病へと恐ろしい道が待ち受けています。
「太っているということは、飢餓の時代に少ない食料でも生き残ってこれた良い遺伝子を持っている証拠だ!」なんて威張っている場合じゃありません!
バランスのよい食生活と適度な運動、そしてL--カルニチンでいつまでも若々しく健康的に過ごしましましょう。
ダイエットばかりが注目されているL-カルニチンですが、脳の働きにも役立っています。
L-カルニチンは体の中でアセチル−カルニチンに変わるのですが、これは脳に多く含まれているので、不足すると脳細胞が壊れやすくなってしまいます。脳の細胞というのは生まれた時に数が決まっていて、後は日々減る一方。一日に何万と壊れていき、お年寄りになると半分まで減ってしまいます。
特に、アセチル- カルニチンが不足すると壊れるのが早くなり、痴呆症になりやすくなってしまいます。アセチル-カルニチンは食物に含まれていないので、L-カルニチンからの合成に頼るしかありません。
L-カルニチンをしっかり摂れば、頭も体も若い頃のまま・・・というのも夢の話ではありませんよ。
L-カルニチンは肉類に多く、羊の肉に一番多く含まれます。特に赤身肉のよく動く部位、足に多く含まれます。野菜や穀物にはほとんど含まれません。
ただ、必要量をお肉で摂ろうとするとカロリーオーバーになりがちなので、サプリメントなどで効率よく摂取するのもよいでしょう。