健康辞典「栄養成分のこと」

キク科の2年草で地中海沿岸をはじめ、南ヨーロッパ、北アフリカ、アジアなどに広く分布します。高さは1〜1.5mもあり、葉にはトゲを持ち、光沢のある葉面には大理石模様の白い斑点が出ています。
ヨーロッパでは伝統的に生薬として利用されてきました。食用として栽培されていたこともあり、葉はサラダにも使われます。メディカルハーブとしては主に種子、葉が用いられ、1968年、マダウス社(ドイツ)では種子の抽出物を精製したものが抗肝毒性薬「レガロン」として承認されました。その他、フランス、イタリア、ハンガリー、フィンランド、ルクセンブルク、エジプト、メキシコ、中国、韓国、タイ等でも医薬品として承認されています。
また、マリアアザミは血中コレステロールを正常に保つことができると言われています。
マリアアザミ抽出物の成分はシリマリンです。このシリマリンには解毒作用があります。毒キノコのタマゴテングタケ(別名、デスキャップマッシュルーム)による食中毒は、腹痛を伴う激しい嘔吐、下痢による脱水症状が現れます。そして30%が死に至るといわれていて、日本ではこの中毒例はあまりありませんが、ヨーロッパではキノコ中毒の90%以上がタマゴテングタケによるものなのです。
さて、ここで活躍するのがシリマリン! シリマリンはキノコの毒が細胞に入り込むのを抑え、肝細胞を保護する作用を持っています。更に! 毒素が入り込んでしまった肝細胞を正常な状態に回復させる機能も持っているんですよ!
実際、ドイツでは、毒キノコによる食中毒の緊急治療にシリマリンの静脈注射剤が用いられています。
マリアアザミの葉には美しい乳白色の斑点があります。これらができたといわれている由来には実は2つの説があります。
1つ目は聖母マリアにささげるミルクを持っていた娘がこのトゲに触れて、その痛みに思わずミルクを葉にこぼしてしまい、葉に模様ができたという説。
2つ目は聖母マリアの母乳が葉の上にこぼれ落ちて模様ができたという説。
そして、これら2つの説から、ミルクシスル(ミルクのアザミ)、ホーリーシスル(聖なるアザミ)など、マリアアザミの別名として呼ばれています。
何気なしに見ている植物にも、もしかしたらそれぞれに秘めた由来があるのかもしれませんね。
ヨーロッパ各地でもこのマリアアザミに関する逸話は知られていて、ドイツでもやはり聖母マリアの象徴だと考えられているようです。