健康辞典「栄養成分のこと」

「栄養素」には、たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルの5種類があります。これらを総称して「5大栄養素」といいます。
現在、ビタミンは13種類発見され、それぞれ助け合いながら身体の機能を調整しています。そのため何が不足しても、身体の調子を正常に保つことができなくなります。ビタミンは「微量でヒトそのほかの動物の栄養を支配し、生体内の代謝、生理機能に対し触媒的に作用するが、生体内で合成されないため、外界より摂取しなければならない有機化合物」と一般に定義されています。
ビタミンには水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンがあります。水溶性ビタミンは、体が必要とする量を超えると尿や汗になって排泄されますが、脂溶性ビタミンは、摂り過ぎると体内にとどまり悪影響を及ぼすことがあるので注意が必要です。
「ビタミンだから、いくら摂っても大丈夫」ということはありませんので摂り過ぎには注意しましょう。
| 取得目安量* | 主な働き | 主な欠乏症 | |
|---|---|---|---|
| ビタミンA | 540μg | 視覚作用、発育、成長に関係 皮膚や粘膜を健康に保つ、感染予防、抗酸化作用 |
夜盲症、角膜乾燥症、暗順応低下、皮膚乾燥 |
| ビタミンB1 | 1mg | 糖質の代謝 神経機能の正常化 |
脚気、ウェルニッケ脳症、疲労感、食欲不振 |
| ビタミンB2 | 1.1mg | ほとんどの栄養素、とくに脂質の代謝作用 成長促進作用 |
口角炎、口唇炎、口内炎、目の充血、皮膚炎 |
| ビタミンB6 | 1.5mg | タンパク質の代謝を助ける | 皮膚炎、けいれん、食欲不振、貧血 |
| ビタミンB12 | 2.4μg | 正常な赤血球を作る | 悪性貧血 |
| ナイアシン | 15mg | 糖質と脂質をエネルギーに変える 消化器、皮膚の健康に役立つ |
ベラグラ(皮膚炎)、食欲不振 |
| パントテン酸 | 5mg | 糖質やタンパク質、脂質の代謝を助ける | 血圧低下、副腎機能低下、頭痛、皮膚炎 |
| 葉酸 | 200μg | 赤血球の生成に影響する | 巨赤芽球性貧血 |
| ビタミンC | 100mg | コラーゲンの精製と保持作用 鉄の吸収促進、抗酸化作用 |
壊血病、食欲不振、歯ぐきから出血 |
| ビタミンD | 2.5μg | カルシウムやリンの吸収をよくする | くる病 |
| ビタミンE | 10mg | 抗酸化作用 血液の循環をよくする |
溶血性貧血 |
| ビタミンK | 55μg | 血液の凝固作用 | 頭蓋内出血 |
| ビチオン | 30μg | タンパク質や脂質の代謝を促進 | 皮膚炎、筋肉痛、脱毛、疲労 |
| 日本人は欧米人に比べ、ビタミンAを多く含む乳製品の摂取量が少ない。 | |
| 精白米中心の食事。(精白米のビタミンB1含有量は玄米の約1/5) | |
| 水溶性のため調理の際に失われやすく、また充分摂取しても尿中に排泄されやすい。 | |
| アルコールにより阻害されるため、特にアルコール多飲者に不足しやすい。 | |
| 水溶性のため調理の際に失われやすく、また充分摂取しても尿中に排泄されやすい。 | |
| 皮膚で紫外線によりつくられるため、屋外で遊ぶなど日光をたっぷり浴びる子供に比べ、TVゲームに興じたり学校と塾の往復だけの子供には不足しやすい。 |
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妊娠中は赤ちゃんのために、たんぱく質やビタミン、ミネラルなどさまざまな栄養素の必要量が高まっています。その中でも最近特に注目されている栄養素が「葉酸」と呼ばれるビタミンです。この葉酸は、胎児の神経管閉鎖障害の発症を低減できることがわかってきました。
神経管閉鎖障害とは脳や脊椎を形成する神経管が妊娠前期に正常に形成されないことによっておこる先天異常のひとつで、「二分脊椎」「無脳症」などの脳や脊髄の癒合不全をいいます。
諸外国で行われた数々の疫学調査によると、葉酸の積極的な摂取が神経管閉鎖障害の発症リスクを低減するということが証明され、これまでアメリカ、オーストラリア、中国など約10カ国では積極的に摂取するよう勧告されてきました。日本でも平成12年、厚生労働省より通達※1で神経管閉鎖障害のリスク低減のために、妊娠を計画している女性は食品に加えて、いわゆる健康食品から1日400μgの葉酸を摂取するよう呼びかけています。
たくさん摂ったからといって胎児の発育が良くなるものではなく、また正しく摂取したからといって完全に予防できるものではありません。先天異常の多くは妊娠直後から妊娠10週以前に発生するため、妊娠1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月までの間の摂取が望まれます。実際にはいつ妊娠するのかわかりませんので、普段からバランスの良い食事を心がけてください。
※1:児母第72号、健医地生発第78号、神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について
皆さんは骨の健康維持のための栄養補給というと何を思い浮かべるでしょうか。おそらく牛乳や小魚などをたっぷり摂ることを真っ先に思い浮かべるのではないでしょうか。牛乳にはカルシウムが、小魚にはカルシウムやマグネシウムなど、骨をつくるための材料となる成分が豊富に含まれ、補給源として重要な役割を果たしています。しかし、骨の健康を保つためにはこれらのミネラルだけでは十分な役割を果たすことはできません。摂取したミネラルを効果的に吸収し、骨の中に取り込むためにはビタミンが必要となります。特に重要なのが「ビタミンD」と「ビタミンK」です。
ビタミンDはカルシウムやマグネシウムなど骨の材料となるミネラルの小腸での吸収を促進し、腎臓からの排泄を調節します。また直接骨の中に取り込む働きを促進します。ビタミンKは私たちが生きていく上で不可欠な出血予防因子として重要な役割を果たしています。、このビタミンKのもうひとつの働きにビタミンDと同様の骨形成促進作用があります。
このようにビタミンがあってはじめて骨の材料となるミネラルが活かされるわけです。
骨粗しょう症とは加齢に伴い起こる疾患のひとつで、特に女性では50歳を過ぎると急激に骨の密度が下がり、ちょっとした衝撃でも骨折しやすくなります。このような状態を招かないためには、早いうちから骨密度を高めておくことが大切です。一度骨から失われたカルシウムなどのミネラルは、年齢とともになかなか元の状態に戻すことが難しくなってきます。
つまり、早いうちからの予防意識が大切です。これからはミネラルばかりでなく、ビタミンの摂取にも気をつけ、骨の健康を維持していきましょう。