健康辞典「病気のこと」
眼疾患には、目の疲れなどの軽度のものから失明に至る重度のものまで数多くの疾患があり、加齢に伴って発症する確率が高くなると言われています。高齢者に多い眼の病気には、白内障と加齢性黄班変性(AMD)があります。
その他、加齢性の眼疾患以外には、糖尿病が原因で併発する糖尿病性網膜症があります。
白内障
個人差はあるものの80歳以上になるとほとんどの人が患う病気と言われています。白内障患者のうち90%近くが加齢によるものであり、失明に至ることもしばしばあります
加齢性黄班変性(AMD)
米国人の40歳以上のうち1,300万の人にAMDを呈し、65歳以上の4人に1人がAMDの兆候をもっていると言われています。AMDには主に萎縮型と滲出型の2つの型があります。AMDの90%が萎縮型であり、一般的に失明に至ることはありませんが、重篤な滲出型へ進行することがあります。近年、日本でもAMDは着実に増加の一途をたどっており、まだその特効薬は見つかっていません。したがって、この病気を予防あるいはその進行を遅延させる研究がきわめて重要とされています。
糖尿病性網膜症
この網膜症は、成人における主な失明原因の一つであり、欧米ではその第1位になっているほど重症になりやすい病気です。また、20年以上糖尿病を患っているI型糖尿病患者の90%以上、II型糖尿病患者の60%以上がこの網膜症に罹ると言われています。症状がかなり悪化し、いったん視力障害に陥ると現在の医学では完全に治療することができないので、早期からの糖尿病管理が必要とされます。
加齢性白内障とAMDは、加齢に伴って発症する確率の高い眼疾患と言われており、高齢なほど罹患率が高くなることが報告されています。
白内障
水晶体が白濁することによって発症する病気で、水晶体のタンパク質の酸化変性が原因と考えられています。水晶体の白濁は、加齢に伴い透明度が低下しますが、加齢のほか喫煙、紫外線、ライフスタイルや糖尿病などが原因となる場合もあります。
加齢性黄班変性(AMD)
網膜の中心にある黄班部の細胞に異常が見られたときに発症し、その原因は明らかではないが、白内障と同様に年齢、喫煙、遺伝、ライフスタイルなどが原因と考えられています。
網膜症
主に糖尿病が原因で併発します。網膜症とは、網膜に栄養を補給する毛細血管が脆くなる病状のことで、高血糖、高血圧、アテローム性動脈硬化などが原因と考えられます。
初期段階での眼疾患は、自己判断することがきわめて困難です。末期段階になって気がつくことがほとんどですので、眼の異変に気づいたときには、自己判断せずに医師の診断を受けることが大切です。
眼科での検査には、屈折、視力、眼圧、眼底検査のほか、顕微鏡、超音波や電気的検査があり、すぐに病名や症状がわかりますので、眼科検診をお勧めします。
白内障
最も多いのは、「目がかすむ」という症状です。初期の白内障では、「暗いところでは見えやすいのに、明るいところでは見えにくい」という症状が現れます。また、目のかすみよりも先に「まぶしい」という症状が現れることもあります。これは、水晶体の濁りが光を乱反射するためです。このような場合、視力はよくても、屋外ではとても見づらい状態になります。
加齢性黄班変性(AMD)
初期の段階では、「見ようとするものの中心部分がぼやけたり、黒ずんで見える(中心暗点)、物がゆがんで見える(変視症)」などの症状が現れます。病気が進んで出血を繰り返すようになると、1.0以上の視力があった人が0.2から0.1までに下がるなど、顕著な視力低下が起こります。最終的には、見たいものが思うようには見えないという状態がずっと続きます。黄斑変性で完全に失明することは非常にまれですが、日常生活は十分送ることができます。
加齢による眼疾患は、老化や生活習慣が原因と言われています。老化はしかたがないと思いがちですが、老化というのは悪い生活習慣によるストレスが体にかかることで進んでいきます。つまり、老化による眼疾患であっても、日々の生活を心がけることで発病を遅らせたり、予防することができます。
活性酸素
喫煙、紫外線などで発生する活性酸素も眼疾患に大きく関わっており、老化や疾患を引き起こす原因になり、活性酸素の発生を防ぐことが眼の予防にもなっています。活性酸素は、体内で発生するだけでなく、紫外線、大気汚染、喫煙、ストレス、食生活、過激な運動などの外的要因により発生する場合もあります。これらの活性酸素とうまくやっていくためには、規則正しい生活習慣を心がけることが必要になってきます。それ以外にも、活性酸素を防止する効果があるビタミン類、ポリフェノールなどを多く含む食品またはサプリメントを摂取することも予防につながります。
●注目の成分『カシスポリフェノール』・『ルテイン』
カシスはベリー類の一種でポリフェノール含量が高いことで知られています。カシスのポリフェノールには疲れ目による視力低下からの回復や、暗闇での視力改善の効果が確認されていますので、眼機能の低下を抑制する効果が期待できるものと思われます。
最近では、白内障やAMDの予防に効果的な特効薬として、ルテインが注目されています。1日約6mgのルテイン摂取によりAMDの罹患リスクを43%も低減させることが報告されています。また、ルテインは水晶体に存在し、水晶体の機能を維持する役割を果たしていると考えられ、白内障発生を遅延させるという報告もあります。現在のところ、白内障やAMDに対する治療薬は存在しませんが、予防薬としてこのルテインに最も高い期待が寄せられていることは確かと言えます。