健康辞典「病気のこと」
関節症とは関節の炎症により体の節々が痛む病気で、中年以降急激に増加し、男性より女性のほうが多いと言われています。その多くは変形性関節症とよばれるもので、患者数は日本全国で約1000万人と言われています。
関節症にはリウマチ性関節症と変形性関節症があります。
変形性関節症の場合・・・
原因は軟骨の老化です。「軟骨」というクッションが加齢に伴い、擦り減って、骨同士がこすれ合うために炎症が起きます。
軟骨の老化は関節に負担がかかるほど進行しやすいので、スポーツや立ち仕事などで関節を酷使することや、太りすぎで関節に負荷をかけることも原因となります。
リウマチ性関節症の場合・・・
リウマチによって体の免疫力が衰えるために起こる炎症です。リウマチの病因は未だはっきりとは分かっていませんが、免疫の異常が原因であろうと考えられています。
免疫の異常は、リウマチの遺伝的な素因を持つ人が、ウィルスや細胞に感染したり、内分泌系に変化をきたすことが引き金となって起こると考えられています。
炎症が続くと関節の動きをなめらかにする働きをもつ「滑膜」と呼ばれる部分が腫れて正常に働かなくなり、関節に痛みが生じます。
変形性関節症の診断
まず歩き方を観察することからはじまります。次いで問診によって痛みの状態、生活状況、けがの履歴などを確認し、さらに視診、触診によって足の変形、腫れの有無、痛みの場所、膝の曲がり具合など詳細に確認していきます。以上のような問診、視診や触診に加えて、「X線撮影」や「関節液検査」等の詳しい検査を実施して、それらの結果をもとに総合的な診断がくだされます。
リウマチ性関節症の診断
アメリカリウマチ学会(ACR)がつくった判断基準が使われています。この診断基準は次に示す通りです。
このうち4項目以上満たせばリウマチ性関節症と診断されます。
変形性関節症
初期には痛みは関節を使いすぎた後に生じ、安静にするとおさまります。症状が進行すると軽い運動や安静時にも痛みを来たし、寝ているときにも痛みが生じます。関節を強く曲げ伸ばしたときや運動時にコツコツと音がしたり、関節が腫れ、水がたまります。
リウマチ性関節症
関節の症状と関節以外の症状があります。関節の痛みは最初一つあるいは少数の関節から始まりますが、長い間には左右の同じ部位の関節にほぼ同じ時期に起こることが多くなります。症状は天候に左右されることが多く暖かく晴れた天気が続くときは軽く、天気が崩れだす前や雨の日、寒い日には痛みが強くなります。関節痛以外の症状としては、疲れやすさ、脱力感、体重減少、食欲低下がみられます。
変形性関節症
初期には抗炎症薬や痛み止めの薬を服用したり、痛み止めの入った湿布剤やテープなどを貼ったりするとおさまります。杖の使用も関節への負担が減り有効です。さらに進行した場合は人工関節などの手術が行われます。
リウマチ性関節症
原因が不明なので、原因を取り除く根治療法は今のところ分かっていません。非ステロイド性抗炎症薬などを用いた薬物療法や温湿布や温泉などを利用した温熱療法などが行われますがいずれも目的は関節の痛みや炎症を抑制することにあります。
いずれも十分な知識と関節症治療の経験を持つ医師の指導のもとで定期的な診断と検査を受けながら治療することをお勧めします。
関節症は体重がかかる股関節と膝関節に起こりやすいため、肥満には注意が必要です。
日常生活での注意点
運動での注意点
関節に負担をかけない水中ウォーキングやサイクリングといった太ももの筋肉を鍛える運動なども効果的です。
食事での注意点
抗酸化作用のあるビタミンA、C、Eなどを摂取できるバランスの取れた食事など、適度な運動と正しい食生活を心がけることが大事です。
●注目の成分『グルコサミン』
近年、関節症の予防や治療に効果があることで注目されているのがグルコサミンです。グルコサミンは軟骨を構成するプロテオグリカンを作る成分です。基礎的なデータではグルコサミンがプロテオグリカンの産生を促進し、軟骨を破壊する酵素の働きを抑えることがわかってきました。また、臨床的にもグルコサミンが変形性関節症の症状を改善することが示されており、ヨーロッパでは医薬品としてリウマチ性関節症の症状改善にも使われています。このようにグルコサミンは関節症の予防や症状改善に非常に効果的であることが分かっています。