健康辞典「病気のこと」
現在、日本人の死因として、1位にガン、2位に心臓病、3位に脳血管疾患(脳卒中)が挙げられ、これらは一般的に「三大成人病」と呼ばれます。また、2位と3位の病気はどちらも血管系疾患で、2つを合わせると、1位のガンより割合が多くなっています。このことから、血管系疾患は、日本で最も寿命に 影響する病気であると言えるでしょう。
「心筋梗塞」とは、血管系疾患の中の一つの疾患であり、心臓につながる動脈(冠 状動脈)が完全にふさがれて、心臓の筋肉(心筋)に十分な酸素が供給されなくなり、心筋の一部が損傷することによる疾患です。
狭心症は、心筋梗塞の前段階 で、心臓につながる動脈が狭くなって起こりますが、完全にはふさがれていないので、酸素不足も一時的に起こるだけで回復します。
狭心症で死亡することはほとんどありませんが、心筋梗塞は突然死の最大の原因となる重篤な病気です。したがって、心筋梗塞まで心臓の病変が進まないように、発作の起こる前に、あるいは狭心症といわれた段階での治療や生活法の改善が重要になります。
死の四重奏といわれる肥満・高脂血症・高血圧・糖尿病の4つが重なると、血管系の病気に極めてかかりやすくなると言われています。高脂血症・高血圧・糖尿病はいずれも病状が進むまで自覚症状が現れにくく、その間に動脈硬化が進み、これが狭心症や心筋梗塞の原因になります。
動脈硬化
動脈硬化とは、動脈の壁が厚くなって血管が固くなる疾患です。動脈硬化の中で特に重要で、発症頻度も高いのがアテローム動脈硬化です。
アテローム動脈硬化 は脂質を多く含むLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)が血管内で活性酸素により酸化されることが原因として進行します。酸化されたLDL コレステロールがもとになって、動脈内にアテロームという肥厚がだんだん蓄積されると、動脈が狭くなります。
この肥厚は大きくなるほど、もろくなり破裂し やすくなります。破裂してしまうと、中から脂肪性の内容物が流出し、血栓と呼ばれる血の塊ができることもあります。血栓は動脈をさらに狭め、心筋梗塞になる危険性を高めます。
LDLの酸化を抑える働きのある、体内のビタミンCなどは、喫煙によって消費されますので、喫煙も大きな危険因子の一つと言えます。
最も一般的な症状として、長時間の胸の痛みが感じられます。胸の中央部に、圧迫感を伴う疼痛が突然起こり、左肩、背中、首、歯、顎へと痛みは放散します。また、狭心症と同じような痛みが感じられますが、心筋梗塞の場合、長時間痛みが続き、ニトログリセリンの服用に対しても効果が得られません。
発作時には、発熱、発汗、顔面蒼白、嘔吐、不安感、血圧低下、脈拍微弱、皮膚湿潤などの症状も見られます。
高齢者や糖尿病患者では、心筋梗塞になっても全く痛みが感じられず、息切れ程度の症状の場合(無痛性心筋梗塞)も見られますので、注意が必要です。
電図検査で、特徴的な変化が現れます。狭心症では、発作から15分以内に正常に戻るため、診断しづらいのですが、心筋梗塞のほとんどの場合、変化が残るため、診断は比較的容易です。発症して数時間以上経っていれば、血液検査でも異常が見られます。発症してから時間が経たない場合で心電図変化が明らかでない場合は、心臓超音波検査が行われます。また、必要に応じて冠動脈造影検査を行い、冠動脈の閉塞を確認します。
食事について
高血圧の人は、通常の人より心筋梗塞になりやすいといわれています。過剰な塩分は、高血圧になる原因ですので、塩分を控えめにすることも心筋梗塞の予防につながると言えます。
全身を使った、軽い運動(歩行、自転車など)も有効です。ただし、体調がすぐれないとき、食後などの運動はさける必要があります。
●注目の成分『OPC』
ブドウの種子や果皮、松の樹皮などに多く含まれるポリフェノール「OPC(Oligomeric proanthocyanidin)」には動脈硬化を予防する効果が期待されています。疫学的には、赤ワインが動脈硬化抑制に有効であるという報告があり、赤ワイン中のOPCがその効果を担っていると考えられます。実際、OPCは非常に強い抗酸化能を持ち、LDLの酸化を抑制することは既に証明されています。OPCは抗酸化機能の他にも、生体防御機能などについて様々な研究がおこなわれ、その効果が裏付けられています。