健康辞典「病気のこと」
肥満とは体に過剰な脂肪が蓄積した状態をいいます。肥満度の判定方法はいろいろありますが、肥満度が30%以上になると、肥満症の治療の対象となり ます。太っているように見えても筋肉質で体脂肪が少なければ肥満とはいいません。逆にやせているように見えても体脂肪が30%を超えているような場合は肥 満といい、単に見た目や、体重だけで判断するのではなく、身長に対しての標準体重を求め、実際の体重と比較する方法と、実際に体脂肪率を測定する方法を組 み合わせて総合的に判断します。
肥満は糖尿病や高血圧、心筋梗塞など、様々な病気の原因となるため、肥満=単に太っている状態などと侮ってはいけません。早めの改善が必要です。
肥満は摂取エネルギーが消費エネルギーを上回った時に起こります。つまり過食と運動不足が原因といわれていました。しかし、肥満には遺伝的要素も関 係していることが解明され、現在では40種類ほどの肥満遺伝子が分かっています。だからといって肥満遺伝子を持っているひとがすべて肥満になるということ ではありません。食事量、運動量、ストレス、生活環境など複雑な理由が絡んでおり、肥満遺伝子を持っていたとしても、日常生活で気をつければ肥満にはなら ないと考えられています。、肥満に対する遺伝子の影響は25%程度で、環境因子と生活習慣による影響の方が大きいのは事実です。
私 たちが生きていく上で、必要とされるエネルギーは基礎代謝量と活動代謝量に分けられます。基礎代謝量とは目を覚ましている状態でなにもせず安静にしている 時に利用されるエネルギーのことで、呼吸をしたり、心臓の筋肉を動かしたりと生きていく上で最低限必要なエネルギーのことです。それに対し活動代謝とは、 いろいろな活動を行ったり、運動する時のエネルギーです。ですから、通常は基礎代謝量+活動代謝量が摂取するエネルギーより多ければ肥満にはなりません。
つまり、基礎代謝量分のエネルギーは最低限摂取し、運動などをして活動代謝を上げるか、活動量に見合った食事をすれば肥満になることはないのです。
年齢について
基礎代謝量は加齢と供に減少するので、食事量も減らさなければならないのですが、以前と同じ食事を続けていると肥満の原因となります。
食事時間について
起きているときはたくさんのエネルギーを必要としますが、寝ているときはあまりエネルギーを必要としません。したがって、寝る前にとった食事は余分なエネルギーとして蓄積されてしまいます。
食習慣・生活習慣について
お酒を飲みながらの食事ではつい食べ過ぎてしまいます。またアルコールは食欲を増進させる作用もあるので、お酒を飲む機会が多い人は注意が必要です。
運動について
先にも述べましたが、消費するエネルギーが摂取するエネルギーより少なければ、肥満になります。したがって、運動量が少なければ肥満になるのは当然です。
| 肥満度判定(BMI) | ||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
BMI(Body Mass Index)を求める BMI=体重(kg)÷(身長(m))2
身長、体重から簡単に肥満度を判定する方法は上記の通りですが、先にも述べた通り肥満度は身長、体重のみから判断する物ではありません。皮下脂肪の厚さを画像で診断する方法もあります。それらを組み合わせて肥満であるかどうかを診断します。 |
肥満と食事
最近は病気の予防はもちろん、美容のためなどダイエットなどにも関心が高まっています。しかし、無理に減量しては体にいいわけはありません。ダイエットという言葉を耳にすると、食事制限という強いイメージを受けますが、実はそうではありません。適正な体重に近づける為に、必要であれば食事調整を行い、適度 に運動することが大切です。
では理想的なダイエット食というものはあるのでしょうか?実はダイエットの為にこの食品がいいというものはありません。食品の種類は制限せず、むしろ多くの 食品を少量ずつバランスよく食べ、全体の摂取エネルギーを控えるほうが効果的です。また、少量ずつでもたくさんの種類を食べられる方が、満足度も違いま す。ただし満腹になるまで食べてしまう人は、逆にエネルギー過剰になってしまうので腹八分目程度に抑えましょう。
肥満と運動
体脂肪を燃やすには?
体脂肪1kgの中には約7200kcalのエネルギーを蓄えています。逆にいえば、脂肪を燃やして体重を1kg減らすには、7200kcalのエネルギーを消費しなければなりません。
通常日本人の男性が24時間普通に生活して活動するのに使うエネルギーが約2400kcalなので、3日間食べなくても活動できるくらいのエネルギーが脂肪組織1kgに濃縮されているということになります。
だからといって、3日間の絶食などはしてはいけません。なぜなら絶食だけでは脂肪は燃焼しないですし、筋肉も落ちてしまいます。筋肉を動かすことが健康的な ダイエットにいかに重要かは後ほど説明するとして、さらにそのようなダイエットを続けていると脂肪をため込みやすい体質にしてしまします。そしてなにより 健康的ではありません。
以前は脂肪が燃焼する有酸素運動を30分以上続ける運動が良いと言われていました。ウォーキン グやジョギングなどがこの運動にあたります。しかし、30分ほどの有酸素運動では、300kcalほどしか燃焼されず、ご飯2杯分くらいのエネルギーしか 消費しません。体脂肪を1kg燃焼させるのに7200kcal必要な分けですから、期待されるほどエネルギーの消費にはなりません。
しかし、以前は連続して30分以上の運動をしないと脂肪が燃焼されはじめないといわれていましたが、最近では10分間づつ、3回運動をしても消費されるエネ ルギーには大差ないという報告もあるようです。ですから、通勤時間などに一駅分歩いてみるとか、エスカレーターを使わないで、階段を使ってみるなどほんの 少しの時間を運動にあててみることで、30分くらいの運動はできると思います。
さらに、最近注目されていることは太り にくい体質をつくること。実際に人間が使うエネルギーで多いのは基礎代謝量の方で、日本人の場合、女性では1日当たり約1200kcal、男性では約 1500kcalで、以前は個人差はそれほどないと考えられていました。ところが基礎代謝量にはかなりの個人差があることが分かってきました。運動は特に してないようなのにどんなに食べてもやせてる人、少ししか食べてないのに肥ってしまう人、それらの人には基礎代謝量に差があると考えられます。たくさん食 べてもやせてる人は基礎代謝量、つまりなにもしなくても使われるエネルギーが高いのだと思われます。では基礎代謝量が高い方はどこが違うのでしょうか?そ の要因の1つとして筋肉量の違いがあげられます。筋肉を使い活性化させることは、基礎代謝を高めてなにもしなくても自然に消費されるエネルギーを増加さ せ、太りにくい体質を獲得する上で重要な意義を持っているといわれています。